Design of everyday life(自分らしい生活をデザイン)

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私が考える「7つの習慣」の本質とは何か?⑥

 人間関係において相乗効果を発揮することが大切です。相乗効果とは、全体の合計が各部分の和よりも大きくなることをいいます。

 

他者との相違を認める

 他者との相乗効果を発揮するためには、まず他者との相違を認め尊ぶことが必要です。
 相違点が、自分の知識と現実への理解を増すのです。そして自己のパラダイム転換を引き起こします。自分以外の新しい視点が入ることにより、パラダイムの前提が変わるためです。
 他者との相違を認めた創造的な活動には、予期せぬ要素、曖昧さがつきものです。それは、試行錯誤の中で行うものだからです。
 この曖昧さに耐えることが必要なのです。曖昧さに耐えるとは「自分のパラダイムに閉じこもらない」ということです。曖昧さに耐えられないと、すぐに明確な構造や確実な結果を強く要求してしまいます。そして、現実をすべて自分のパラダイムに当てはめようとしてしまいます。
 この創造的な活動によって生み出される結果は、以前よりはるかに良いものになります。1+1が2よりはるかに大きなものになります。これが相乗効果を発揮した成果です。

 

相乗効果を発揮するためのコミュニケーションとは?

 相乗効果的なコミュニケーションが展開されるときは、新しい可能性や、代替案、新しい選択について、自分の意見や心を、ありのままにオープンに展開することができます。

 相乗効果的なコミュニケーションは、防衛的コミュニケーションや、尊敬的(妥協的)コミュニケーションとは異なります。
 防衛的コミュニケーションはWin-LoseもしくはLose-Loseとなり、そもそも1+1とはなりません。どちらかが1を死守するだけです。尊敬的コミュニケーションは、相手は尊重するがどうしても妥協的となってしまい、1+1が2以下になってしまいます。

 相乗効果的なコミュニケーションを行うには、自らの正直さをさらけ出すことから始まります。

カール・ロジャースは次のように教えている。「最も個人的なことは、最も一般的なことである」と。あなたが誠意を示し、自分のほんとうの姿、特に自分の個人的な経験や自信のなさを表面に出せば出すほど、それを聞いている相手はあなたの話を自分の経験に重ね合わせ、そこから自分自身を表現できる安心感が生まれるのである。あなたの正直な気持ちの表現が、相手の精神を養うのだ。

「7つの習慣」 相乗効果を発揮する−カオスの彼方 

 「感情移入」が起こることで、初めてお互いの相違が認められるのです。

 先に述べた「曖昧さに耐える」ことや正直さをさらけ出すためには、自己の内的な安定が必要です。

相乗効果的になりそうな状態から単なる混沌状態に陥ってしまうケースは、たしかに存在する。残念ながら、一回そういう痛い経験をした人は、次の機会にも前回の失敗の記憶がよみがえり、一歩踏み出すことができない。つまり、最初からできないだろうという意識のうえでそうした状況に望むと、そのような結果から自分を守ろうとして、相乗効果を出す可能性を台無しにしてしまう。

「7つの習慣」 相乗効果を発揮する−カオスの彼方 

 相乗的コミュニケーションが、残念ながら防衛的コミュニケーションになってしまうのです。

 内的な安定をもたらすものが、最初の3つの習慣、①主体性を発揮する、②目的をもってはじめる、③重要事項を優先する、です。
 これらを実践することで、自分自身に嘘をつかず正直に行動することにつながり、自尊心を復活させ、内的安定をもたらすのです。

 

「第3案」を見つける

 このようにお互いの相違を認めた上で、Win-Winとなる「第3案」を考えるのです。

『相乗効果を発揮するためには、双方が満足できる解決策を見つけるまで、話し合いを続けることだ。』

「7つの習慣」 相乗効果を発揮する−第三の案を探し出す  

 こうして見出した「第3案」は、お互いが本当の意味での相乗効果を発揮した成果なのです。 

私が考える「7つの習慣」の本質とは何か?⑤

 第5の習慣「理解してから理解される」は、コミュニケーションの習慣です。

 

まず相手を理解しようとする。

「私たちは、急いで問題の中に飛び込んで、何らかのアドバイスで問題を素早く解決しようとする傾向が極めて強い。しかも、多くの場合、診断する、あるいは問題を深く理解する時間をとることを忘れてしまっている。」

「7つの習慣」 理解してから理解されるー感情移入のコミュニケーションの原則

 

「話をしているとき、ほとんどの人は、理解しようとして聞いているのではなく、答えようとして聞いているのだ。話しているか。話す準備をしているか、二つにひとつである。」

「7つの習慣」 理解してから理解されるー相手を本当に理解するためには

 聞くという行為には5つのレベルがあると著者は言います。①無視する、②聞くふりをする、③選択的に聞く、④注意して聞く、⑤感情移入して聞く。そのうち、①〜④は自叙伝的に話を聞くということです。⑤の「感情移入して聞く」ことが重要になります。

 自叙伝的な聞き方に基づく回答はえてして、①評価する、②探る、③助言する、④解釈する、に陥りがちです。お互いのやりとりの中で、自分の発言が①〜④になっていないか振り返ってみることを著者は推奨しています。

 自叙伝的な話の聞き方は、問題に対して自分なりの解釈をし回答をすること、相手をコントロールすること、操ることが動機になっています。

 この動機は自分が意識しているものではありません。相手を手助けしたいという気持ちはあるはずです。しかし相手からはこのような動機だと認識されてしまうのです。相手を理解できていないということなのです。

 急いで問題に対して回答しようという気持ちが強すぎれば、相手を理解することがおろそかになってしまいます。

 そして、相手を理解しなければ問題が何かさえ取り違えてしまいます。相手を理解して初めて、問題が何かを理解できるのです。

 相手を理解する=感情移入の本質は、相手に賛成することではありません。感情的にも知的にもその人のことを理解するということなのです。

 

まとめ

「本当に理解したいという気持ち、人格、相手との高い信頼残高、感情移入のスキルを身に着けなければ、ほかの人の見地に立って、その人の見ている世界を見ることは絶対に出来ない。」

「7つの習慣」 理解してから理解されるー四つの自叙伝的な反応と感情移入

 感情移入のスキルとは、①話の中身を繰り返す、②話の中身を自分の言葉に置き換える、③感情を反映する、④内容を自分の言葉で言い、同時に感情を反映する、これら4つです。

 ギリシャ哲学の言葉、エトス(個人の信頼性)、パトス(感情移入)、ロゴス(理論)、この順序で相手とコミュニケーションすることが大切です。

 自分がまず相手を理解することが、先の第4の習慣「Win-Win」の扉を開きます。なぜなら相手を理解して初めて、お互いが利益を得る結論を見いだせるからです。

私が考える「7つの習慣」の本質とは何か?④

 公的成功を達成する上で必要な私的成功のための3つの習慣についてこれまで見てきました。これからは公的成功のための具体的習慣です。まずは「信頼残高」について見ていきます。

 

信頼残高とは?

 信頼残高とは、相手との関係の中で築かれた信頼のレベルを表す表現です。

 継続的な預入によって高い信頼残高が維持されなければ、互いの関係は悪化することになるでしょう。

 信頼残高を増やす大切な預け入れ方法として、①相手を理解する、②小さなことを大切にする、③約束を守る、④期待を明確にする、⑤誠実さを示す、⑥引き出しをしてしまったときは、誠意をもって謝る、の6つを著者は挙げています。

 

Win-Winを考える

 この信頼残高を踏まえた習慣として、「Win-Winを考える」があります。

 Win-Winとは「自分も勝ち、相手も勝つ」という考え方です。Win-Win以外にも、色々な原則があります。Win-Lose(自分が勝ち、相手は負ける)やLose-Win(自分が負け、相手が勝つ)、Lose-Lose(両者が負ける)などです。

 その中で一番相手との関係において相乗効果的な解決策は、「Win-Win」です。双方に利益のある解決策を見つけることです。

 しかし、いつも「Win-Win」な解決策が見つかる訳ではありません。その時に必要な選択肢は「No Deal(取引しない)」です。

 その都度必ず取引を成立させなければならない訳ではないし、取引の成立を優先させるあまりどちらかの利益のみが得られるような内容であってもいけません。だからこそ「No Deal(取引しない)」という選択肢があるのです。

 

Win-Winを形づくるものとは?

 Win-Winの原則は①人格、②関係、③合意、④システム、⑤プロセスから成り立っている、と著者は言います。

 Win-Winは、本人の人格がとても重要ですがそれだけでは成立しません。相手との関係性、しっかりとした合意内容も必要です。また、Win-Winが継続的に成立するためのシステムや、プロセスも重視しなければ成り立ちません。

 先の信頼残高は、Win-Winを形づくる①人格、②関係に大きく影響していることが良く分かります。

 

まとめ

 我々の日常では、意識はすれどもWin-LoseやLose-Winの関係に流れてしまうものです。そしてその結んでしまった関係性を嘆いているのです。そこを一歩踏みとどまって、Win-Winを目指した関係性を結ぶべく様々に考えていくことが重要なのです。

私が考える「7つの習慣」の本質とは何か?③

 第三の習慣は時間管理の習慣です。
 著者は、時間管理で大事なのは「重要事項を優先することだ」と言っています。

 

 「重要事項を優先する」はとても当たり前のことを言っているようですが、実は非常に難しいことです。なぜなら、降り掛かってくるすべての案件は自分のことを「一番重要だ」と言うからです。そしてそれらの案件全てには対応できません。よって、どれかの案件を優先しなければいけないのです。

 

第二領域の重要性 

 まず、時間の過ごし方を緊急度と重要度の高低で区切り、4つの領域に大別します。
第一領域は、緊急かつ重要な案件、第二領域は緊急ではないが重要な案件、第三領域は緊急だが重要ではない案件、第四領域は緊急でもなく重要でもない案件です。
 これら領域のうち重視しなければいけないのは、第二領域である「緊急でないが重要な案件」です。この第二領域に多くの時間を費やすことを意識するのです。

ピーター・ドラッカーの言葉でまとめれば、「大きな成果を出す人は、問題に集中しているのではなく、機会に集中している」ということである。彼らは機会に時間という餌を与え、問題を餓死させようとしているのだ。』

「7つの習慣」 重要事項を優先するー生き方を変える第二の領域 より

 つい緊急な問題である第一領域や第三領域にばかり目が行くところを、機会である第二領域に目を向けるように戒めているのです。

 

自らが選択するために

 第二領域を優先するためには、当然、他の領域の案件を削る必要があります。自らの意思で削るという選択をする必要があります。選択をする際に必要なものは何でしょうか?

 それはミッションステートメントです。自分の価値観であるミッションステートメントを読み、意識した上で、自分で優先課題を選択するのです。
 つまり時間管理は、「降りかかる課題に優先順位をつけることではなく選択した優先課題をスケジュールに入れる」ことなのです。

 

 ここまでの①から③の習慣で一番重要なことは、「自らが選択する」ということです。その選択のために必要なことは、自らの価値観を明確にしておくことです。常に自らの価値観を意識しておくことによって、「自分にとって何が一番大事なのか?」を踏まえた選択が可能になると思います。

私が考える「7つの習慣」の本質は何か?②

 引き続き「7つの習慣」についてです。今回は第二の習慣「目的を持って始める」です。

 目的地を定義し、その上で歩み始めるのです。
 物事を達成した時、それよりもはるかに大切なことを犠牲にしてきたことに気づくというのは、自分にとっての目的地が何かを明確に定義できていなかった最たる例でしょう。

第一の創造と第二の創造

 「すべてのものは二度つくられる」と著者は言います。知的な第一の創造と、物的な第二の創造です。建物が立つ前には必ず設計という計画があります。実際に実現する物的な第二の創造の前に、必ず計画という知的な第一の創造を通るのです。そしてその第一の創造は自分がコントロールできるものなのです。

『すべてのものが二度作られるというのは原則であるが、第一の創造が必ずしも意図的なものとは限らない。自分の生活においては、自覚を持ってこの知的な創造に対する責任をとらなければ、影響の輪の外にあるほかの人や周りの状況に、自分の人生を方向付ける力を委ねてしまうことになる。そうする人は周囲からの圧力や状況のプレッシャーに反応し、幼児体験や条件づけによってできあがった脚本を考えずに実行するだけなのだ。』

「7つの習慣」 目的を持って始めるー意図するか放任するか

 無意識のうちに第一の創造が周囲の環境に影響され、意図しないものとなってしまうということです。
 私も思い当たることが大いにあります。自分がやりたいと言っていることが、家族や職場、学校の期待に影響されたものになっているのです。それは全く無意識のことなのです。
 つまり、第一の創造が主体的、意図的に行われているかどうかを常に意識する必要があるのです。本当に自分が望んでいるものなのかを自問自答するということです。

ミッション・ステートメントを書く

 その方法のひとつに「ミッション・ステートメントを書く」があります。ミッション・ステートメントに自分がどうなりたいのか、何をしたいのか、これら自分の行動の基礎となる価値観や原則を書き込み、明らかにするのです。

 そしてこのミッションステートメントに常に立ち返り、見直し、更新していくことで、自分にとって腑に落ちた行動につながるのです。

私が考える「7つの習慣」の本質は何か?①

「7つの習慣」とは何か?

 スティーブン・R・コヴィー著の「7つの習慣」という本があります。自己啓発の本としてはとても有名な本であり、読んだことがある人はたくさんいると思います。私もこの本に大きな影響を受けている一人です。

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

 

 「7つの習慣」は、人間の成長の道筋として、大きく「依存」、「自立」、「相互依存」のステップを掲げています。その成長の道筋を歩んでいくためのツールとして「7つの習慣」を提唱しています。以下、その7つの習慣について順を追って説明していきます。そして最後に、私が実践するセルフマネジメントにおける「7つの習慣」の位置づけとその限界について書いていきます。

①主体性を発揮する

 「問題は自分の外にあるのではない、自分の内にあるのだ。」
 このように言うと、全ての行動は自己責任だと言っているだけだと思われがちですが、そうではありません。
 人間は周囲で起こる様々な事に対して反応をします。辛い出来事に対して涙し、怒りを覚えたり、楽しい出来事に対して笑ったり。攻撃をしてくる相手に対して、応戦したり。
 しかし、これら反応は必ずしも反射的、自動的に起こるものではないのです。反応は選択することが出来るというのです。例えば、辛い出来事に対して、周囲を悲しませまいと、笑顔を見せるといった反応もとれるのです。これは、他の動物にはない、人間独自の性質です。
 事象に対して自動的に反応しているのと、反応を選択しているのとでは、主体性が大きく異なるのです。

関心の輪と、影響の輪。

 関心の輪は、自分が興味・関心をもっている領域のことです。影響の輪は、自分がコントロール出来る事柄のこと。反応的な生き方をしている人は、自分のコントロール出来ない部分、影響の輪以外に気持ちが向いてしまい、影響の輪を狭めてしまう結果になってしまいます。
 一方、主体的な生き方は、影響の輪に集中することにより、積極的なエネルギーを生み出し、それによって影響の輪を拡大することが出来るのです。
 影響の輪に集中し、今できることを愚直に行う大切さについて語っているのです。

心と身体は自分では直接コントロールできない

 「自らの心と身体をコントロールし、適切に社会に働きかけることで、社会から良いフィードバックを受ける」ことを目標に日々を送っています。
 しかし、実際のところ自分の心と身体は自分で直接コントロールできる訳ではないのです。
 早起きを心がけようと思っても、ついつい寝坊してしまったり、期限がある仕事を忙しさにかまけて期限内に終えることが出来なかったり。。
 その時、自分の意思や心がけが足りないなど、自らの心に問題があると考えてしまいがちです。
 しかし、自分がTVを見たいと思ったり、やる気が起きなかったり、身体が疲れている感覚は、自分自身で止めることはできません。それを押さえようと思ってもどだい無理な話です。
 
 このように考えていくと、「心と身体は、直接コントロールすることは出来ない」と考えるのが自然です。
 それでは、例えば早起きが上手く出来ている人はどうしているのか?
 それは、心と身体を「直接的」にではなく「間接的」にコントロールしているのです。
 
 具体的にどうしているのでしょうか?自分にとって望ましいことに挑戦した結果、上手くいった時が必ずあると思います。
 その時の外的環境や自分の気持ち、体調などを記録しておきます。その中で何が要因で上手くいったのかを分析します。
 早起きを例に挙げると、早起き出来た前日の就寝時間、睡眠時間、風呂には何時に入ったか、コーヒーを飲んだか、前日の仕事の状況、帰宅時間、ストレスの有無、体調(風邪気味、睡眠不足)などです。
 こういったことを記録しておき、何回も積み上げていく中で、上手くいくときのパターンを見つけていきます。
 例えば、コーヒーを夕食後飲まなければ早起きが成功した。仕事でストレスが大きかった次の日は早起きしにくい。などです。
 何も意識しなくても自分は早起きが出来ているという人もいます。それは実は、早起きしやすい環境にある(周囲が早く起きる)、自分の体調が早起きに向いている(自然に朝早く目が覚める)なのかもしれません。
 上手くいかない人は、その環境や体調を人為的につくり出すことで、上手くいく可能性が高まる訳です。
 
 このように上手くいく可能性が高い行動・環境(上手くいかない行動・環境)を見つけ、その行動を必ず実行する(止める)ことで、早起きしようという意思を強くもたなくても、早起きを成功させることが可能になります。
 
 「自分の心と身体を直接変えようというアプローチではなく。適切な行動を見つけ継続して実行することで、間接的に心と身体をコントロールする」という考え方が大切だと思います。