7つめの習慣「刀を研ぐ」とは、自分自身の中の四つの側面(肉体的側面、精神的側面、知的側面、社会・情緒的側面)のそれぞれを再新再生させることです。
これら四つの側面を、定期的に、一貫して、賢明に、バランス良く磨き、そして向上させることです。これは、自分自身に投資するということです。
まず、肉体的側面で刀を研ぐとは、自分の身体を大切にすることです。 バランスのとれた栄養のある食事をとり、十分な休養を心がけて、定期的に運動することです。
よい運動のプログラムは、家で実行できるものであり、身体を持久力、柔軟性、強さという三つの側面で鍛えるものです。
次に精神的側面は、人生に自己リーダーシップを発揮することです。
精神的な側面とは、自分の核であり、中心であり、価値観に対して決意すること。これを再新再生することで、新たな意欲を生み出すのです。
知的側面を再新再生するということは、自覚を持ち、自分の頭の中のプログラムを客観的に見つめる能力を身につけるということです。
知識を得るだけだはなく、仮説を設定し、自分で考えることが大切です。そのために必要な行動は、読書、書くこと、スケジュールや計画を立てることなどがあります。
社会・情緒的側面を再新再生することは、第四、第五、第六の習慣と深く関わっています。
具体的には、普段の生活の中で、ほかの人と接する活動を通じて常に行っていくものです。答えるために聞くのではなく、相手のパラダイムを深く徹底的に理解するために感情移入の傾聴をするのです。
社会的側面と情緒的側面は、互いに結びついているといえます。なぜなら、私たちの情緒的側面は、基本的にほかの人との関係によって育成され、表現されるものだからです。
しかし、これは労力のかかるものです。なぜなら、多くの人が第四、第五、第六の習慣を実行するのに必要な私的成功のレベルに達していないか、必要な公的成功のスキルを身につけていないからです。
第四、第五、第六の習慣を成功させるのは、知力より、主に情緒的側面であり、自分の内的安定性と自尊心です。
情緒が不安定な人は、いくら知力が優れていても、生活の中で大きな問題に直面し、その問題について違う考えをもっている相手と接した場合、第四、第五、第六の習慣を実行しようと努力したところで、相手の相違点を大きな脅威に感じてしまい、どうしても本当の相乗効果を生み出すことができません。
自分の内的な安定性は、自分の精神と心に深く根付いた、正確なパラダイムと正しい原則に従って生活することからもたらされるのです。
ここでいう「正しい」とは、自分にとって「正しい」ということであり、第二の習慣と連動している。自分の価値観を体現した生活を送るということが、内的な安定につながるのです。
これら四つの側面を再新再生することを自らの時間に組み込んで始めて、それぞれの習慣が機能するといえます。その意味では、この「刀を研ぐ」が最重要事項だと認識できるかが鍵ともいえるのです。