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弓道と子育ての共通点

 NHKの番組「アスリートの魂」、「終わりなき探究」弓道の増渕敦人選手の回を見た。

 良い番組だった。増渕選手の人間臭さがとても心を打った。
 特に、弓道という競技の精神性の奥深さを見た気がする。

 

 弓道の極意は「正射正中」。
 正しい打ち方をすれば、自ずと命中する。的に当てることにとらわれると、正しい射が崩れてしまう ということだ。
 岡崎廣志範士(八段)の言葉。『目標を探求していく。探し求めていく過程が「道」。「的=自分の心」、自分との対峙なんだ。増渕選手は一生懸命真摯に取り組んでいる。だから彼は変われる能力がある人だ。』
 弓道の的は自分の心。的に当てよう当てようと思えば思うほど、心が乱れて当たらない。

 

 「的=自分の心」で、今自分が感じるのが、子育ても同様ではないかということ。
 「子ども=自分の心」なのではないか。現在、2歳の子の子育てをしている私には、そう思える。
 忙しさなど様々なことで自分の心が乱れると、それは子どもに映ってしまう。
自分の心が乱れ、いっぱいいっぱいになってしまうと、つい子どもをコントロールするような「あれしなさい、これしなさい。あれはダメ、これはダメ」などの言動、態度をとってしまう。すると子どもは、とたんにかたくなになってしまう。子どもの気持ち、声を感じてとっていないのだ。
 子どものためにと思ってやっているつもりが、実はそうはなっていない。これは、的に当てようとすればするほと、的に当たらないという、弓道と一緒ではないか。

 

 増渕選手は、勝ちたいという一心でトレーニングを重ねてきた。技術、体力を磨いてきた。しかし勝てない。
 かつて9割を超える的中率を誇り、29歳で天皇杯を史上最年少優勝。その翌年に、矢を全て的中させたにもかかわらず、予選敗退。理由は「単なる的当てで弓道ではない」というものだった。

 

 「正しい打ち方」に至るのは、勝ちたいという気持ちを捨てることから始まるのだろう。
 子どもとの関係も、同じように「子どものために」を捨てることから始まるのだと思う。
 「今日は、子どもに振り回されよう」と腹をくくった時は、案外と子どもは素直になる。おそらく、そのときは子どもの言葉、表情、動きをしっかり見て、言葉を返しているのだと思う。心も乱れていないんだろう。だから、子どもは変わっていない。自分が変わっただけなんだ。
 この精神状態を、どんな場面でも継続してもてるかどうか。これが大事なのではないかと思う。

 

 しかし、日々子育ては右往左往。今は「魔の2歳」と言われる、難しい時期。子どもは私の態度を測るように、駄々をこねてくる。しっかり対応が出来たといえるのは数えるほどしかない。子どもとのやりとりで落ち込まない日はない。でも、喜びも沢山ある。子どもの笑顔。これに勝るものはない。


 「子育ては、親育て」という言葉もあるが、今、本当にうなずける。おそらく、これがセルフマネジメントそのものだと思う。