手段を目的と乖離させない
以前書いた記事のとおり、GTDプロセス①収集、②分類・整理、③行動、④レビューを、順調に回していました。
しかし先日、収集のプロセスを行わないままに、実行しているタスクがいくつかあることに気付きました。突発の事象ではない、短時間で終了する(GTDでは2分以内に終わることは、そのまま実行することになっています。)ものでもない。なのに、頭の中にとどめたままで、しまっていたタスクもありました。
このようなタスクがあれば、整理しているタスクリスト以外に別のリストが頭の中にある訳で、タスクリストの信用度が下がってしまいますし、頭の中もモヤモヤしたままです。
何故、このようなことになってしまったのか、自分の心の中を覗いてみました。
まずは、「自分ではやるべき事だと分かっているから、収集するまでもない」という気持ちがありました。しかし、結果的には他のタスクとの優先順位はあいまいなままで、頭の中にあるタスクを優先して処理してしまっていました。いや、現在は優先順位があいまいというより、実は優先順位が分かっていない状態だと思います。
もうひとつは、収集してしまえば実行しなくてはいけなくなるという恐れがありました。つまり、表に出せば「やらなくてはいけない」という結論が見えているタスクなのです。「やりたくない」タスクです。だから見ないふりをしているのです。
これらの心の動きを踏まえて、どう収集していくかについて考えてみました。
GTDの教科書のひとつである「ストレスフリーの整理術 実践編」に、いくつかのヒントがありました。
ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編――仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法
- 作者: デビッド・アレン,田口元
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まずは、「収集への過度な義務感を捨てる」ということです。収集=実行への決断という意識を捨てるということです。
「収集というステップは、目標や計画について決断することとは、まったく別の作業だという認識を持つ必要がある。」(P118)
もう少し気楽さが必要ということでしょうか。
次は、「先送りへの過度な罪悪感をもたない」ということです。
さっきの「やりたくないタスク」を実行するためには、大きなエネルギーが必要です。だから、エネルギーが溜まった時に実行する。逆にエネルギーが少ない時には先送りしてもいいと思うようにしました。エネルギーが少ない時は、負荷の少ない作業を行うことで罪悪感を最小限にすることが出来ます。
「どうせ面倒なことを先送りするなら、その時間で何か生産的なことをやったほうがいい。罪悪感を味わいながらも何かをやっていたほうが、何もやらないでおおきな自己嫌悪に陥るよりはマシだ。あなたが、この世界で関わっていることに多少なりとも生産的に取り組んでいきたいと思っているならば、とにかく何か行動することである。それをきっかけに、エネルギーが正しい方向に向かいはじめることは珍しくない。」(P213)
最後は、「目標を再度明確にすること」です。優先順位が分からないということは、今の目標があいまいだということです。中期、長期で何を選択し達成するのか、それが散漫になっていました。自分の目標を再度選び直すことで、優先順位も明確になりました。
これら対策をとっていくことで、GTDという「手段」だけが先走り、GTDを行う「目的」である「やるべき事を着実に実行する」ことが疎かになることを避けることが出来ます。手段と目的が乖離することを防ぐのです。この乖離は自分の心の中に自然に入ってくるもので、意識しないと分かりません。
今回のことから、心の動きを確かめることで真の原因が分かるのだということがよく分かりました。