Design of everyday life(自分らしい生活をデザイン)

Life-Design , Self-management , Interior , Book etc..

「生活をデザイン」について考える(1)

 このブログは、「生活をデザイン」というキーワードで書いていきますが、「生活をデザイン」とはどういうことか?について、深く考えておくのはとても大切なことだと思っています。


 まず「デザイン」とは何か?です。一般的には「生活をデザインする」という表現はとても違和感があると思います。
 ちなみに、Wikipediaでの「デザイン」の項目には、

 『デザインとは、ある問題を解決するために、思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することと解される。』

 とあります。
 最近では、グラフィックデザイン、プロダクトデザインなど一般的なものだけでなく、ランドスケープ(都市)デザインやコミュニティデザインなど、新しい場面でデザインという言葉が使われています。

 前者と後者の違いは、前者は定義の「表現」を重視したもの、後者は定義の「問題解決」をより重視したものといえそうです。
 グラフィックデザインやプロダクトデザインは、より美しい、インパクトがある、など表現の側面が前に出ていますが、実は製品のインパクトを高めることや利便性を高めるなど、「問題解決」がそもそもの目的です。その意味では、「表現方法」は既存のものにこだわらず、「問題解決」を前面に考えることで、より多くの場面で「デザイン」という言葉が使えると思います。


 そして、定義の中の「思考・概念の組み立て」も重要な点だと思います。「表現」というと全てを新しく創造するというイメージですが、そうではなく、既存の思考・概念などのパーツを組み立てる、何を選択し、何を選択しないのか、そこから問題解決につなげるということだと思います。


 こうなると、「デザイン」という言葉のイメージが芸術的なものから、より実利的なものに変わってくるのではないでしょうか。

 

 ドイツのインダストリアルデザイナーであるディーター・ラムスは、彼の率いるデザインチーム全体の指針として下記の10か条を掲げたそうです。

* 良いデザインは革新的である。
 Good design is innovative.
* 良いデザインは製品を便利にする。
 Good design makes a product useful.
* 良いデザインは美しい。
 Good design is aesthetic.
* 良いデザインは製品を分かりやすくする。
 Good design makes a product understandable.
* 良いデザインは慎み深い。
 Good design is unobtrusive.
* 良いデザインは誠実である。
 Good design is honest.
* 良いデザインは恒久的である。
 Good design has longevity.
* 良いデザインは細部まで一貫している。
 Good design is consequent down to the last detail.
* 良いデザインは環境に配慮する。
 Good design is environmentally friendly.
* 良いデザインは可能な限りデザインを控える。
 Good design is as little design as possible.

 「表現」と「問題解決」、「思考・概念の組み立て」がバランスされている、分かりやすいデザインの定義だと思います。

 

 ここまで考えてきたデザインの定義を踏まえ、「生活をデザインする」とはどういうことかについて、次回更に考えてみたいと思います。