光と風を家族として迎え入れた家 〜建もの探訪
ご夫婦と娘さん二人の四人家族。
二階建てだが、二階のハイサイド窓によって、風が通りやすく配慮されているのが外観からも分かる。基本コンセプトは「風と光が通る家」と旦那さんが話す。
玄関ドアは引き戸。入ると目の前に螺旋階段。様々なところから光が入ってくる。玄関横の明かり取りは緑を室内に運ぶ。二階のグレーチング、サーキュレーターが、ハイサイド窓からの光と風を一階に運んでくる。
リビング。周囲に縁側的な棚が囲む。棚に座れば、窓から緑が見える。ダイニング。ブラウン基調の色合いが落ち着く。長テーブル。ベンチシート。広々している。奥さんは、娘と料理が楽しめる対面キッチンを希望したとのこと。タイルも落ち着いた柄と色。
螺旋階段を登ると、娘さんの部屋。ロフトとデッキを完備。明るい。夏は涼しく、冬あったかいとのこと。娘さんも大満足。
夫婦の寝室。サーキュレーター。エアコンがない。ダイニングにのみ設置されているが、使っていないとのこと。そのくらい涼しく過ごせる家。
一階の水回り。洗面所。天窓が開けられる。換気が徹底。お風呂にも換気窓。風が抜ける道が必ず作ってある。
地下。階段下にワークスペース。隣が趣味室。ドラムセットが置いてある。九畳のスペース。車のマフラーと同じ仕組みの換気扇。設計家と一緒に演奏。旦那さんご満悦の表情。
渡辺さんのコメント
とても気持ちがいい。エアコンを使わない、風が還流する家。外の風景を切り取る額縁になるような窓。娘さんの「気持ちいい家」というコメントがとても嬉しい。
光と空気の流れをとても意識している家。とくに風は常に流れていることを感じさせる。それが住む人に「気持ちいい」という感覚を呼び起こす。光と風を第五、第六の家族として迎え入れたかのよう。そして、迎え入れるだけでなく、共存し、互いが気持ち良く暮らせる配慮がこの家には随所にある。
光と風を家族として迎え入れた家。
屋内縁側とスタジオのある家(千葉県・真弓邸)
http://www.tv-asahi.co.jp/tatemono/backnumber/#!/2014/21
■廣部剛司建築研究所