Design of everyday life(自分らしい生活をデザイン)

Life-Design , Self-management , Interior , Book etc..

書評:「私の生活流儀 」本多静六 著

この本は、著者自身の生活体験を元にした、健康、生活・考え方、金・人付き合いの訓話です。
 戦後に書かれており、生活水準など現代とは違う部分も多々あるが、時代を超えて参考にしたい内容が沢山あります。
 
 例えば、健康の章。戦後の著作なので食生活の内容など現代とのギャップは感じますが、根本は清貧生活から人間の力を生み出すというものだと思います。書かれている「生活白書十六項目」は著者の清貧生活を力に変えてきた人生そのものだと思えました。
 
 生活の章では、「全ては実行にある」、「世の中の事は全て相対性のものである」と社会を渡る上で真理を語ります。その上で、無駄を廃し、事を前に前に進めていく大切を説きますが、これも現代においても共通だと思います。
 
 カネについても、実践的な教えを説きます。収入の四分の一天引き貯金、巧みな投資、無理をせず最善を尽くし、辛抱する事なども、時代を超えて、現代の我々にも響きます。
 
 このように、少しギスギスした印象を持ちがちな努力の訓話ですが、著者の根っから明るい表現は、暗さを微塵にも感じさせません。
 奥様と実践された、ものを買った「つもり」になって貯金する「つもり貯金」は、奥様も本当に明るく実践されたのだろうと微笑ましくなります。
 
 努力と明るさを両立する著者の姿勢と時代を超えた普遍的な方法論を、是非参考にしたいと思います。
私の生活流儀 (実業之日本社文庫)